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〈向上〉北野龍彦(3年・外野手)/チームTシャツの言葉は『志』。全員で同じ方向を向いて戦う
チームの武器である「密」をつくり出しているのが、キャプテンの北野だ。
「コロナ前に戻った感じがあって、一人ひとりのつながりが本当に濃くて、深いんですよね」(平田隆康監督)
恒例のチームTシャツの言葉は『志』。チームで話し合い、最終的には北野が決めた。
多くの学校が、夏の大会に向けて作るが、向上の場合は新チームが始まるときに言葉を決めて、Tシャツを作成する。
「『意志』という言葉を入れたかったんです。調べてみると、『全員がひとつの方向を向く』という意味が込められていて、向上のチームカラーに合っている。部員が多い分、まとまるのは難しいんですけど、その分、全員がひとつの方向に進んだときは、どこにも負けないチームをつくれる自信はあります」
冬から、朝練習を終えたあとに学校内を15分ほど、全員で掃除する時間を設けた。最初は指導者からの指示もあったが、やっていくうちに、「全員で継続する力、気づく力、広い視野を持つ力が身についたと思います」と、誇らしげに語る。
「夏に勝つには、『自信』が大事。でも、簡単に『自信』を得ることはできない。ミーティングでは、自分自身の役割を本気でやろうという話をよくしています。今のチームのテーマは、『役割』と『本気度』です。それを全うできれば、今以上の自信がついてくると思っています」
今、甲子園はどんな距離に見えているか。
「手の届かないような場所にあるとは、思っていません。新チームからみんなでひとつひとつ積み重ねてきて、見えるところまで来ている。必ず今年の夏、甲子園に行く。その気持ちで、みんな練習をしています」
集大成の夏。キャプテンが先頭に立ち、行動と言葉でチームを引っ張っていく。
(文・写真/大利 実)