top of page

〈東海大相模〉木村海達(3年・捕手)/準備の大切さを実感した秋の敗戦。最高の仲間とともに甲子園へ




「海達=かいたつ」と読む。

「海のようなきれいな心を持って、達人のように何かを極める人間になってほしい。そういう意味があるそうです」

「できていますか?」と聞くと、「はい」と堂々と答えてくれた。

 広島出身。『アグレッシブ・ベースボール』を掲げる東海大相模の野球に憧れて、強豪の門を叩いた。1年秋から正捕手となり、最上級生でキャプテンに就任。グラウンドでも私生活でも、いつも輪の中心にいるのが木村だ。


 忘れられない1球がある。

昨秋の準決勝、横浜戦。10回表に4点を奪うも、10回裏に5点を失い逆転サヨナラ負け。悔やむのは無死一、二塁、先頭打者の阿部葉太に対する初球のワイルドピッチだ。

「初球を投げる前に、藤田に『4点差あるから、バッターに集中していこう』ともっと声をかけてやれば、違う結果になっていたかもしれない。準備の大事さを実感しました」

 藤田から見た木村は、「心に火をつける言葉をかけてくれる。疲労が溜まった終盤になると、『疲れているとか関係ない。もっと腕を振れ!』とよく怒られます」と笑う。

「藤田はいいピッチャーなので、あまり褒めないようにしています。原先生(監督)からも、『悪いことをしっかり伝えないと、いい選手になれない』と教わっています」


 冬のトレーニングを経て、「ストレートのスピードが上がって、コントロールも良くなっている」とエースの成長を認める。

 今夏が、甲子園へのラストチャンス。最高の仲間とともに、勝利の校歌を歌う。


(文・写真/大利 実)





閲覧数:953回
bottom of page